海外アフィリエイト広告は成果報酬型の広告手法で、商品が売れた時に売上に対する一定の割合の報酬を広告費として支払います。Google広告やMeta(FacebookやInstagram等)広告などのクリックや広告表示に対して広告費が発生するのではなく、売上が上がった際に広告費が発生するので、広告主側からすると余計な広告費を支払う必要がないリスクが少ない広告手法で大変人気があります。
特に化粧品やアパレル、通販モール等の物販サイトはアフィリエイト広告との相性が良く、多くのECサイトがマーケティング施策として取り組んでいます。
ただ日本国内のアフィリエイトマーケティングは実施していても、海外となると「どのように取り組めばよいか分からない」、「実施してみたけど上手くいかない」というECサイトも多いのではないでしょうか?
この記事では過去に様々な商材で英語圏である主にアメリカやEUでの海外アフィリエイト広告に取り組んできた経験から、成功するために重要なポイントを解説します。
海外アフィリエイト広告のメリット・デメリット
海外アフィリエイト広告のメリットは主に以下の3点です。
A.売上が発生した際に広告費が発生する
B.売上に対する広告費の割合を広告主が指定できる
C.キャンセルや不正注文などは対象売上から除外できる
一番のメリットは売上が発生した際に広告費がかかる点です。広告費だけ支払ったが売上が上がらなかったという広告主側のリスクが低くなります。また2点目は、売上に対する広告費の割合を広告主側が指定できるため、広告費用対効果(ROAS)を保つことができ、商品原価なども考慮して、売上に対して目標の利益が確保できる広告費を支払う仕組みにすることができます。ただ、多くの利益を確保しようとして報酬の割合を少なくしすぎると、どのアフィリエイターも取り組むことを躊躇してしまい、結果としてアフィリエターが集まらない結果になってしまいます。ある程度、競合などの相場感を合わせた報酬率の設定が必要になります。最後に、不正注文やキャンセル等、注文発生後に売上がなくなってしまった場合は、広告費を支払わなくて良い点も大きなメリットとなります。
逆にデメリットはアフィリエイターが集まらず、ほとんどアフィリエイト広告経由の売上やサイト流入が発生しない可能性がある点です。Google広告やMeta広告はクリックや広告表示に対して広告費用が発生するため、広告費を支払いさえすれば、一定のサイト流入や広告表示はされます。ただアフィリエイト広告の場合は、売上が上がらないとアフィリエイターが判断すると、そもそもプロモーションが実施されません。
また商材や成果報酬、サイトの利用規約などによっては、アフィリエイト報酬欲しさに一定の不正注文が発生する可能性も高くなります。キャンセルを繰り返す注文が発生しやすいアフィリエイターや怪しいサイト等は提携解除もしくはそもそも提携しない等の対策が必要になります。
海外市場でのアフィリエイト広告
海外におけるアフィリエイト広告の市場はInfluencer Marketing Hubによると、北米を中心に2023年で約2兆1450億円規模となっており、過去5年で市場規模は3倍に増加。広告費全体の中でも平均で約9%を占める規模まで成長しています。
今後もアフィリエイト広告の需要は増加する可能性が高く、今後より一層重要なマーケティング施策となってくる見込みです。
海外アフィリエイトのおススメのジャンルとは?
アフィリエイト広告に取り組む広告主をジャンル別にみてみると、小売業が全体の44%と高くなっており、最も相性が良いといえます。ついで、通信・旅行・その他と続きます。
アフィリエイト広告との相性が良い小売業を更に詳細に分類すると次のジャンルのECサイトが多くなります。
- アクセサリー
- 服/アパレル
- コスメ
- サプリ
- 家電/家具
- 食品
これらに共通するのが、商品の利用者が一般ユーザーでかつ多くの人々に利用される商品であることです。多くの人に購入されやすいため、アフィリエイターとしても取り組みやすく購入までつなげやすく、アフィリエイト広告が成功しやすくなっています。
反対にBtoBの商材やニッチでごく少数の一部の人しか対象にしていない商品の場合はアフィリエイト広告には向いていません。仮にアフィリエイト広告を開始したとしても、取り組んでくれるアフィリエイターの数が少なく、売上が全く発生しない可能性が高くなります。
日本の越境ECサイトが海外アフィリエイト広告に取り組む際の注意点
これまで説明した通り、海外アフィリエイト広告は特に物販系の越境ECサイトにとって魅力的な広告手法となります。
ただ、どのサイトでも成功するかというと、失敗するケースも多くります。失敗するといっても、多くの広告費が発生することは少ないのですが、以下の点に注意することで、失敗するリスクを減らすことができます。
A.自社プロモーションで成果がだせているか?
アフィリエイト広告は外部のアフィリエイターにプロモーションを任せる手法です。その為、多くの場合、プロモーションに対する注力度は、自社もしくは契約している広告代理店と比較すると低くなります。悪い言い方をすると、あまり時間や工数をかけてくれません。
その為、まずは自分たちで商品開発、サイト改善、Google広告やMeta広告、公式SNS運用、SEO対策などに取り組んで、一定の売上と利益確保を達成できていることが重要です。
仮に自社で上記の施策に取り組んで上手くいっていない場合、それよりも注力度の低いアフィリエイターが成功する確率は低いといえます。まずは自社でのプロモーションに注力をして、売上が発生しやすい状況を作り、そのプロモーションを更に強化する施策でアフィリエイト広告を導入する、という考え方が重要です。
B.サイトのアクセス数、コンバージョン率は良いか?
先に述べた点とも近いですが、売上の発生しやすいECサイトがアフィリエイト広告の成功において重要となるため、サイトのアクセス数が一定数以上多く、コンバージョン率(注文数÷アクセス数)も高いことが重要となります。
サイトのアクセス数は多ければ多いほど良いですが、1つの基準として海外からの月間アクセス数が3万以上を目指しましょう。また、できるだけ販売のメインの国からのアクセスが多いことも重要になります。
コンバージョン率は1~3%を目指しましょう。1%以下の場合は、アクセス数を多く獲得できたとしても売上が発生しにくいので、アフィリエイターが多く集まったとしても少額の売上しか発生しない可能性が高くなります。
最後に平均注文単価が低すぎない点も重要です。同じ規模のサイトアクセス数とコンバージョン率、売上の10%が成果報酬のアフィリエイトプログラムだったとしても、1回の平均注文金額が$100と$1000ではアフィリエイターの成果報酬は10倍ことなってしまい、当然、アフィリエイターとしては報酬金額が多いプログラムに注力することになります。
商品の平均注文金額を大きく伸ばすことは困難ではありますが、平均注文金額が低すぎる商材の場合は、アフィリエイト広告が合わない場合がある点に注意しましょう。
C.商品や商品カテゴリーの認知度は高いか?
海外アフィリエイト広告において、商品もしくはブランド名の認知度(指名検索量)の高さは重要になります。ただ、海外で日本の商品の認知度は低い場合が多いため、商品名の検索量が少ない場合は、商品カテゴリーの認知度(検索量)が重要になります。
例えば、越境ECでお酒を販売する際は、「sake」や「Japanese rice wine」。化粧品であれば「Japanese cosmetic products」など、「商品カテゴリー+日本」で検索量が多い商品カテゴリーは、海外でもニーズが高く、自社商品名は知られていなくても、該当ジャンルの商品を探しているユーザーに購入してもらえる場合があります。
D.主な販売エリアに合わせたアフィリエイターと提携する
越境ECにおいてどの地域が主な販売先になるかで提携するアフィリエイターも変えていく必要があります。弊社では、北米・EU・オセアニア地域・中国を除くアジアを中心に様々な地域のアフィリエイト広告に対応しています。
まとめ
海外アフィリエイト広告は越境EC物販のマーケティング手法として効果的な施策の一つです。
ただ実施に向けては不明点が多く、まだ着手できていないECサイトも多い状況です。
弊社、タッグクロスマーケティングではこれまでのノウハウを踏まえ、海外アフィリエイト広告やGoogle広告・Meta広告など含めた総合的な視点でのマーケティング支援が可能です。 越境ECでのマーケティングに課題を感じている際は、是非一度お問い合わせください。